パパの育児休暇を取るべき時期

日本の会社でも、出産・育児に理解が深まってきました。

そのため、ママの出産・育児休暇をしっかりと取得できるような時代になってきました。

厚労省の調べによると、1996年は女性の育児休暇取得率は49.1%、現在では83%以上の取得率となっています。

では、男性の取得率に目を向けてみるとどうでしょうか。

1996年で0.12%、2018年時点でも5.14%という、極めて低調な数字であります。

 

次に、福祉国家として名高い北欧諸国ではどうなっているか見てみたいと思います。

ノルウェーの例

1993年以前、ノルウェー男性の育児休暇取得率も5%程度と、日本と変わらないものでした。

しかし、現在の数値を見ると、76%と非常に高い取得率を誇っております。

このような高い取得率を実現できた鍵は「パパ・クオータ制度」の導入にあります。

これは、育児休暇の一定期間を、パパにクオート(quota=割り当て)するという制度です。

ノルウェーの育児休暇期間は59週間(育休前の8割収入保障)もしくは49週間(育休前の全額収入保証)となっています。

そのうちの、10週間はパパにクオート(割り当て)されるというものです。

もし、パパが育休を取らなかった場合は、育児休暇期間が短縮されるという仕組みです。

この制度の導入により、男性の育休取得率は飛躍的に上昇しました。

 

そして、この制度は形を変え、スウェーデンやドイツへと広がりを見せています。

実際、過去には日本でも議論が繰り広げられましたが、採用には至っておりません。

 

因みに、日本の場合、育児休業給付金はざっくり休業前の50-66%程度の収入となりますから、この辺も前述のノルウェーに比べると劣っている点です。

 

しかし、こんなことで政府や企業に恨み節を言っても、まったく意味がありません。

与えられた制度の中で、なるべく賢く制度を利用することが重要なのです。

 

育児休暇を取るべき時期

育児休暇を10週間取るということは、日本ではハードルが高いです。

でも、たった1日だけ育児休暇を取得するだけならどうでしょうか。

 

育児休暇期間中は社会保険料が免除されます。

では、どの機関が免除されるのか。日本年金機構には下記のような記載があります。

保険料の徴収が免除される期間は、育児休業等開始月から終了予定日の翌日の月の前月(育児休業終了日が月の末日の場合は育児休業終了月)までです。

分かりにくいのでいくつか例を見たいと思います。

1 5/1~7/15まで育休を取った場合

 育休開始月(5月)、終了予定日(7/15)の翌日(7/16)の月(7月)の前月(6月)ということになります。

よって、社会保険料が免除lされる月は5月と6月ということになります。

2 5/15~7/31まで育休を取った場合

 育休開始月(5月)、終了予定日(7/31)の翌日(8/1)の月(8月)の前月(7月)
ということになります。

よって、社会保険料が免除される月は5月と6月,7月ということになります。

 

同じような期間、育児休暇を取っているのに、上は2か月の社会保険料免除、下は3ヵ月の社会保険料免除となります。

 

ここまで書いて、理解のある方は分かったかと思いますが、月末最終日に1日だけ育休を使うことで一月分社会保険料を免除することが可能となります。

具体的には、サラリーマンの方であれば

健康保険料

厚生年金保険料

この二つが免除されることとなります。

これらは給料の額によって、それぞれ金額が違うので、給与明細でいくら引かれているのかを見てください。

それらが免除されるのです。

コツコツと節約するのもいいですが、これを知っていると知らないでは数万円単位で節約できるかが変わってきます。

 

さらに、社会保険料はボーナスに対してもかかってくるものです。

と言うことは、ボーナス月の月末最終日(休日の場合は跨がないといけません)に1日だけ育休を取ることで、十数万円の節約になってくるのです。(1回しか利用できないので、ご注意ください)

 

日本という国に生まれたのですから、北欧の福祉システムを羨ましがっても仕方ありません。

知らなければ国・企業からは何も言ってきません。

でも、知っていれば、大きなリターンが得られることはたくさんあります。

仕組みさえわかれば、利用するかしないかはあなた次第なのです。