証券会社「本社」「営業マン」と「顧客」の時間軸の違い。
株を買う時、いつまで保有することを考えて銘柄を選ぶだろうか?
「顧客」・・なるべく短いターム(出来れば日計り)
「営業マン」・・なるべく短いターム(出来れば日計り)
「本社」・・遥か遠くの将来
細かい違いはあれど、それぞれが考えている時間軸は以上の通りである。
対面証券で提案されても、全然儲からない。
これはよく言われることである。
一番の原因は、考えている時間軸の違いにあると考える。
見てもらうと分かる通り、「顧客」と「営業マン」の時間軸は概ね合致している。
それぞれの利害が一致しているからだ。
〈顧客目線〉
- 長く保有すれば、リスクが増えるから短期で売買したい。
- 将来の大きな利益より、目先の小さな利益を積み重ねたい。
〈担当者目線〉
- 上手く回転できれば、手数料が入る。(回転売買を一概に悪と決めつけている記事が多いが、利益さえしっかり出せば回転売買は善だと思う。)
このように利害関係が一致しているので、時間軸は同じになる。
では、本社の時間軸はどうか。上に書いている通り、遥か遠くの将来を見ている。
これが、諸悪の根源だと当時から感じていた。
なぜなら、本社の時間軸は、営業マンの時間軸に大きな影響を及ぼすからだ。
どういうことか見てみたい。
証券会社には2タイプの営業マンがいる。
- 自分で銘柄を決める営業マン
- 本社の銘柄に従う営業マン
である。1の場合は、顧客と営業マンの時間軸が一致している。
問題は2のタイプである。営業マンが意図していないのに、 いつの間にか時間軸が超長期になってしまっているのである。
そして、残念なことに、営業マンの95%は2のタイプである。
そもそも時間軸が合っていないのだから、提案に乗っても顧客は儲からない。
これが「証券会社の提案に乗っても、儲からない」と世間で言われる所以である。
もし対面証券で取引をしている方で、全然儲からないと感じている人は、担当者を1タイプの人に変えることで、ガラッと成績が変わる可能性がある。
日本人には言いにくいことであるが、担当変更を依頼する勇気を持つことも大事なのである。
それが、自分の資産を守る、ということに繋がるのではないだろうか。